テープ起こし、反訳でご依頼が多い分野というのがあります。裁判や会議のテープ起こし、反訳など特定の分野に特化したテープ起こし業者もありますが、多くの文字起こし業者は分野を問わずに仕事をしています。
インタビューの案件は、テープ起こしのご依頼の中でもポピュラーな分野に入ります。新聞社や出版社などのマスコミ関係はもちろん、個人のお客さまからのご依頼も少なくありません。納品した原稿は、それをベースに雑誌やサイトに掲載されたり、冊子や新聞など、いろんな媒体に使われるのです。
1対1のインタビューは、通常、インタビュアーが用意した質問ごとにインタビューイが答えるというキャッチボール形式ですから、録音状態が良ければ、困難な作業ではありません。ですが、これがグループインタビューとなると、少しハードルが上がります。インタビューも複数だと、会話の交錯部分が出ます。
そのため、どうしても聞き取りが困難な部分が出てしまうケースが発生してしまうのです。インタビュアーは複数でも、質問自体は個別にするので、問題はないのですが、答える側が複数だと、場が暖まるにつれ、ついついご発言が交錯してしまうこともあります。
その部分の作業は、絡まった糸をほぐすように、ご発言の再生速度を落とし、何度も確認しますが、やはりどうしても聞こえない部分は、聞き取り困難の印を付けて原稿を作ります。作業をする側の心理としては、極力こういった対応はしたくありませんが、誰が聞いても聞こえないものは仕方がありません。
インタビューの現場にいらっしゃった方は、ここの部分はこう言ってるとわかる部分でも、第三者が作業をすると聞こえないというケースは多々あります。そのため、精度の高い原稿をお作りするためには、お客さまに、なるべくそういった箇所が発生しないような状況をお作りいただき、録音をお願いするしか方法がありません。